厚生労働省と内閣府は、消費増税に伴う2014年度の増収額(5.1兆円)の使い道の詳細を明らかにしました。このうち、社会保障の充実には5,000億円(そのうち、子ども・子育て支援を中心とした支出は約3000億円)、基礎年金の国庫負担分の返済などにも充てるため、全体の60%(約3兆円)を年金関連で消化します。

消費税が10%に上がると、平成27年10月、年金保障機能の強化のために法改正された内容が実行されます。その1つに、老齢基礎年金の受給資格期間25年以上から10年に短縮するという項目があります。

65歳以上の無年金者のうち、17万人弱が受給資格期間10年以上と推測されています(平成19年社会保険庁調べ)。この方々も、保険料を納めた期間によって計算された額の老齢基礎年金が受け取れるようになります。

「消費税を10%にする」と首相は明言しませんが、そのシナリオは完成しているといっても過言ではありません。